中国メディア『中華網』によると、ある女性が亡くなった愛犬を「復活」させるために16万元(約336万円、1元=21円)を費やして、犬のクローンを作ったという出来事が話題を呼んでいます。
報道によれば、女性の徐さんは12年間共に過ごしたドーベルマン「ジョーカー」との別れに深く悲しみ、2023年にクローン犬「小ジョーカー」を誕生させました。
クローン犬の外見はもともとの「ジョーカー」にほぼ完全に一致しているものの、性格や行動には違いも見られたとのことです。もとの「ジョーカー」はおとなしく穏やかな性格だったのに対し、「小ジョーカー」は活発で好奇心旺盛だそうです。
クローン技術には動物の権利や倫理的な問題も付きまといます。
この記事では、クローン作製の過程で代母犬が経験する身体的な負担や痛み、また失敗によって生まれた子犬が捨てられたり、安楽死させられたりする現実にも触れています。
さらに、遺伝子が同一でも育つ環境によって性格や習慣が異なるため、クローンによって亡きペットの「代替」ができるわけではないことも指摘されています。
亡くなったベットと過ごした日々の思い出や長い間培った人とベットの深い絆が悲しみの主な原因で、クローン技術は過去のものを取り戻せないという現実もあります
倫理的・心理的な課題に加え、商業化による暴走も懸念されています。高額な費用を払っても、完全な「再会」は叶わないという現実を考えると、クローン技術で癒しを求める選択は慎重に考える必要があるかもしれません。
中国でも近年、ペットの家族化が進み、「終活」や「メモリアル」ビジネスの需要も増加しています。そうした中でクローン技術も選択肢の一つとして登場することで、社会にとっても大きな問いが投げかけられています。