2025年の中国大学統一入試「高考」が終了すると、採点作業が開始されます。
『新華日報』によると、江蘇省では省教育試験院、南京大学、南京師範大学の3か所に採点拠点を設置し、それぞれの機関が分担して作業を進めています。
6月7日から始まったマークシートの電子スキャン作業は13日までに完了。省教育試験院ではスキャンだけでなく、選択問題の採点も担当しています。「主観問題は個別の画像に切り分けられ、専用の光ファイバーで各採点会場に送られる」と、教育試験院の陳科長が説明しています。
南京大学では社会科・理科系の記述問題、その他の外国語(ロシア語・日本語・ドイツ語・フランス語・スペイン語)の採点を実施。一方、南京師範大学では国語、数学、英語の記述問題が対象となっており、両大学で約3000人の教師が採点にあたっています。
参加する教師は、専門知識と採点経験を兼ね備えたメンバーから選ばれ、事前に複数回のトレーニングを受け、設けられた採点基準をはっきり理解した人だけは本番に臨みます。
採点制度で注目されるのは「四段階評価方式」です。主観問題はまず2人の採点者が別々に採点し、その差が大きい場合には第3者、さらに必要に応じて専門家チームが再評価を行います。
もし、採点標準以外の解答が出た場合、専門家チームに採点してもらうこととなっており、個人で採点基準を決めて採点することを禁じています。さらにAIによるリアルタイム監視も導入されており、全体の20%以上の答案は再チェックされるという徹底ぶりです。
さらに、採点会場内は携帯電話の持ち込みが禁止され、通信が遮断されるほか、全作業がビデオで記録されるなど、極めて厳格なセキュリティ体制が敷かれています。
こうした取り組みは、高考という一大イベントの公正性と信頼性を確保するためのものです。中国では高考が人生の方向を決める重大な試験とされ、社会の関心も非常に高いことから、採点にも最大限の注意が払われているのです。
AIの導入や採点標準の統一など、これらの制度は不正が散見される日本の大学入試においても参考になる部分があるかもしれません。高考の結果発表は2025年6月25日から開始され、受験生は省の教育試験院公式サイトで成績を確認できる予定です。
参考:高考分数是这样出炉的