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中国で6億人が視聴!進化する「ショートドラマ」とは?

近年、中国で大ブームとなっているスマホで見る「ショートドラマ」が、新たな転換期を迎えています。

『新華網』によると、2024年末時点でのショートドラマのユーザーは6億6200万人に達し、インターネット利用者全体の約60%を占める規模に拡大しているそうです。

一方で、「内容が似たり寄ったり」「安っぽい恋愛劇ばかり」「課金誘導が露骨」などの批判も少なくありません。

こうした懸念に対応する形で、中国国家ラジオテレビ総局は規制を強化。2024年には、作品を「重点」「普通」「その他」の3種類に分類し、審査・管理を行う新ルールを導入しました。

配信プラットフォーム側でも、自主的な取り締まりが進み、「抖音(Douyin)」や「快手(Kuaishou)」は数百本以上の違反作品を削除したといいます。

AIによるイメージ画像

この規制の流れの中で、内容面でも大きな変化が見られます。

単なる「娯楽消費」から、社会的な意義や芸術性を意識した作品が増えています。脚本家の袁氏は「リアルさを出すためには、現場に足を運び、地道な取材が必要だった」と語っており、制作姿勢の変化が伺えます。

2025年の春節(旧正月)の期間中、放送された中年の離婚問題を取り上げたショートドラマ「夫婦の春節(中国語:夫妇的春节)」は、ユーモアを混じえながら、多くの家庭が直面する結婚問題を描いています。TikTokで一気に再生数1億を突破、現在すでに5億回再生されています。

また、スマートフォンの縦型画面が主戦場だったショートドラマが、テレビ放送にも進出しています。湖南衛星テレビをはじめとする各地の衛星テレビ局が専用枠を設け、人気作品を次々と放送を開始しています。

一方、収益モデルも変化しています。これまで主流だった「1話ごとの課金方式」から、広告モデルや会員向けの無料配信に移行し、長期的なファン獲得を重視する傾向が強まっています。ある報告によると、ヒット作の収益はリリースから半年以上にわたって続くようになり、長期的利益の獲得モデルに変換しつつあります。

今後は、ECサイトやSNSとの連携による「ショートドラマ+消費」の試みや、知名度の高い俳優・監督の参入の傾向も強まっています。

エンタメと社会価値の両立を目指すショートドラマの進化は、スマホ世代の新たな文化として、今後も注目を集めそうです。

参考:微短剧迎来新变化

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