最近、中国・北京の大学で、あるモバイルバッテリーの使用を巡る安全対策が話題になっています。
『紅星新聞』が報じたところによると、「ROMOSS」という中国ブランドの2万ミリアンペアのモバイルバッテリーについて、爆発や発火のリスクが高いとして、複数の大学で使用禁止の通達が出されているそうです。
北京市内の大学で実際に発火する事故が発生し、学生や教職員に対して「もし所有していればすぐに廃棄を」と呼びかけられました。
北京聯合大学の学生センターの話では、校内でROMOSS製のモバイルバッテリーが突然爆発・発火する事故が確認され、消防部門(119)からも注意喚起があったとのこと。さらに、北京伝媒大学でも同型のバッテリーによる火災事例が報告されています。処分にあたっては「有害ごみとして廃棄するように」と明確に指示されているそうです。
また、北京工業大学耿丹学院の関係者によれば、市の教育委員会から各大学に対して、安全に関する通知が発信されたといいます。ただし、北京市教育委員会側は「各大学には自主管理の権限があり、具体的な製品名まで規定しているわけではない」と説明しており、最終的な判断は各学校に任されているようです。
ROMOSSの製品は手頃な価格で大容量とあって、学生を中心に人気を集めていました。そのため、「利用者が多い分、事故件数が目立つだけでは?」という意見もSNS上で見られ、「ROMOSSが狙われているのでは」といった投稿もあります。
中国では過去にもモバイルバッテリーやスマートフォンのバッテリー関連事故が報じられており、特に安価で高性能をうたう製品については安全性への懸念が根強くあります。
公共施設での火災防止という観点から、大学側が事前にリスクを回避しようとする姿勢は理解できますし、今後リスクに応じてさらに他の製品やブランドにも規制が広がる可能性も考えられます。
このような対応が、全国的な動きに発展するのか、また消費者の製品選びにどのような影響を与えるのか、注目したいところです。