中国で無糖飲料が流行しています。『新華網』によると、「味がしっかりしていておいしいのに、体にやさしい」と感じて無糖飲料を毎日買っている人もいるそうです。健康志向の高まりもあって、こうした無糖タイプの飲料は中国で“夏の定番”になりつつあるようです。
実際、2023年の中国における無糖飲料の市場規模は約401億元(約8020億円、1元=20円)に達し、前年比で2倍以上も伸びました。さらに、2028年には約815億元(約1兆6300億円)にまで拡大すると予想されています。
ただし、「0糖」と書いてあっても、糖がまったく入っていないわけではありません。中国のルールでは、「100ミリリットルあたり0.5グラム以下の糖分であれば、“0糖”と表示できる」ことになっています。つまり、ごく少量の糖は含まれている可能性があるのです。
甘さの正体は「代糖(だいとう)」と呼ばれる甘味料で、人工的に作られたものや植物から取れるものがあります。たとえば、「アスパルテーム」という甘味料は、1グラムで200グラム分の砂糖の甘さがあり、しかもコストも低いため、多くの製品に使われています。
ただし、専門家は「代糖を長くとりすぎると、体が糖に反応しにくくなり、糖尿病のリスクが高まる可能性がある」と話しています。また、腸内環境や血糖のバランスにも影響が出るかもしれないとのことです。
そのため、「できるだけ天然の甘味料(羅漢果やステビアなど)を使った飲み物を選ぶと安心です」といった意見もあります。
さらに無糖というものに気を取られるだけではなく、ほかの添加物も、例えば防腐剤、カフェインなど体にも影響があるので、総合的に判断しようという声もあります。
事情は日本も似ています。「0糖」飲料は手軽で便利ですが、必ずしも“健康的”とは言い切れない部分もあります。
参考:新华网财经观察丨“0糖”疑惑调查