AIといえばChatGPTですが、お隣の中国で話題なのは、AI検索サービス「DeepSeek(ディープシーク)」です。
旅行プランの立案、年夜飯のメニュー作成、帰省ルートの最適化など、生活のあらゆる場面で便利に使えるとあって、スマートフォンの無料アプリランキングでも上位を独占しました。
ところが、そんな無料で使えるはずの「DeepSeek」をめぐり、SNS上では「AI学習商法」が急増しているようです。
『新華社』の報道によると、「AIで稼ぐ完全マニュアル」などと称して、高額のオンライン講座が販売されているとのことです。受講料は数十元(数百円)から800元(約1万6000円、1元=20円)にものぼり、「このままじゃ時代に取り残される」「AIで人生初の大金を稼ごう」などの煽り文句で受講者を集めているそうです。
あるSNSでは、講座の購入者が「内容はネットにある情報の寄せ集めで、特別なノウハウはなかった」と語り、実態に疑問の声も上がっています。
専門家によれば、DeepSeekのようなAIツールはすでに操作が非常に簡単で、「無料で公開されているガイドだけでも十分に使いこなせるレベル」だとのこと。また、AI技術の進化は早く、数か月間の長期講座はすぐに古くなってしまう可能性も指摘されています。
ただし、医療や研究などの専門分野では、AIを活用するために正規の研修が必要なケースもあるようです。例えば、AIを使って医師に診断の参考情報を提供したり、病院の業務管理を最適化したりといった応用が期待されています。
中国国内ではAIサービスの利用者が急増しており、2024年末時点でユーザー数は約2.49億人に達しています。
時には有料講座で学ぶことは非常に有効で効率的ですが、知識を売る側の手法に流されず、必要な情報を見極める力が、これからの時代にはますます求められそうです。