中国では学歴社会になるにつれ、小学校から「どこの学校に入れるか」が各家庭にとって大きな関心事となっています。特に人口流入が多い都市では激しい競争が行われています。
日本では住んでいる地域の公立小学校に入学するのが当たり前ですが、お隣中国では義務教育とは言え、自動的に近くの小学校に入れる訳ではありません。
戸籍や居住実態、社会保障に加入する状況など複数の要素が考慮されたり、親の学歴などに応じて「ポイント制」が導入されている地域もあります。
こうしたなか、広東省仏山市で「2025年から義務教育の入学制限がすべて撤廃される」といった内容の噂がSNS上で拡散され、多くの保護者が注目しました。しかし、実際にはこの情報はデマであることが明らかになっています。
こうした噂が広まる背景には、教育資源をめぐる競争や情報への過敏な反応、さらにはクリック稼ぎを狙った「タイトル詐欺」のような投稿の存在があると指摘されています。
『仏山日報』の報道によると、「社会保険なし・学歴なし・不動産なしでも子供が現地の公立学校に入学できるようになる」という投稿がネット上で多数拡散されていました。
これに対し、仏山市教育局の担当者は、「そのような方針は存在しない」と明確に否定。「仏山は人口流入が多く、学生の受け入れ枠に余裕がないため、全面的な撤廃は現実的ではない」と説明しています。
2025年の義務教育入学については、前年と同様に「戸籍」「政策」「ポイント」の順で入学が認められるとのことです。特にポイント制枠は限られており、教育局は保護者に対して「私立学校への出願や出身地での就学も視野に入れてほしい」と呼びかけています。
また、仏山市ではすでに2025年度の入学案内が正式に発表されており、公立学校はすべて統一のシステムで募集が行われます。非公式な方法での入学は一切認められていないため、不確かな情報には注意が必要です。
人口流入による教育資源の不足はどこの国でも起こり得る問題です。都市部に人口流入が進む中国では義務教育とは言え、入学に必要な条件が細かく設定されているケースが多いです。
日本では子供の数年々減っているので、中国のようなことは起こるのはまずないでしょう。中国も人口のマイナス成長が始まっており、近いうちに都市部の教育資源不足が解消されると期待できる一方、人口不足による新たな問題生じるかもしれません。