中国で、自動運転を中心とした「スマート運転」が急速に広がっています。
『新華網』によると、2025年に入り、各自動車メーカーが一斉に最新の運転支援技術を搭載した新車を発表し、市場が活気づいています。
電気自動車大手の比亜迪(BYD)は、すべてのモデルに「天神之眼」という自動運転機能を導入。
価格帯は7万元(約140万円、1元=20円)から20万元(約400万円)までと、一般向けの車にも広く対応しています。比亜迪の会長は、「いい技術は、みんなに届けるべき」と話しています。
テスラも中国で自動運転機能をアップデート。長安汽車や小米(Xiaomi)などもそれぞれ自社の技術をアピールし、10万元台(約200万円)の車にも高度な運転支援機能を搭載する動きが広がっています。
背景にはAIの進化もあります。DeepSeekのような大規模AIを使うことで、少ないデータでも高精度の自動運転が可能になるとされており、多くのメーカーがこの流れに乗っています。
さらに最近では、企業のトップが自ら車を運転し、ライブ配信で技術を紹介する場面も増えてきました。これは信頼性や親しみを高める工夫として注目されています。
特に注目される点としては、今までは高級車にしかなかった機能が、手頃な価格帯にまで広がっているところです。スマート運転は、もはや特別な装備ではなく、必須なものになりつつあります。
ただし、「高機能=安全」とは限らないという声も。現在主流のL2レベルでは、運転中に手を離してはいけない決まりがあり、完全な自動運転にはまだ距離があります。業界では、より厳密な定義や規制づくりが求められているようです。
スマート運転は車だけでなく、街のインフラや人々の暮らし方にも影響を与えます。中国がこの分野で先行していることは、日本にとっても大きなヒントになるかもしれません。
若者を中心に、より「便利でかっこいい運転体験」を求める声が増えており、日本の自動車メーカーにとっても注目すべき変化です。
参考:加速普及的智能驾驶