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EV充電後の長時間駐車で高額請求?中国EV社会のルール

上海で起きた「駐車超過料金」をめぐる裁判が、電気自動車(EV)ユーザーの間で注目を集めています。

『瀟湘晨報』によると、上海在住の女性が会議中にEVを充電していたところ、充電終了後94分間にわたり車を移動させなかったため、「駐車超過料金」として438.4元(約9100円、1元=21円)を請求されました。なお、実際の充電費用は108.45元(約2300円)で、総額546.85元(約1万1500円)となり、その8割以上が超過料金だったといいます。

顧氏は「通知が不十分で、気づきにくい」「料金が高すぎる」として、車両の充電サービスを提供している企業に抗議。しかし交渉はまとまらず、超過料金の返金を求めて裁判に踏み切りました。

一審では顧氏の訴えが退けられ、不服とした彼女は控訴。二審である上海市第一中級人民法院も、「充電完了後の長時間占用は明らかな違約行為であり、企業はアプリやSMSなどで十分な通知を行っている」と判断。さらに、「企業は過去に一度、顧氏の超過料金を免除した実績もあり、彼女は制度を認識していたはず」と指摘。結果として、控訴も退けられました。

この「駐車超過料金」はどの程度が一般的なのでしょうか。

記者が調べたところによれば、多くの中国国内の充電ステーションではこの制度を導入しており、料金設定はまちまちです。たとえば、テスラでは混雑状況によって1分あたり3.2元(約70円)または6.4元(約130円)という高額な超過料金が設定されており、理想汽車は15分を超えると1分あたり2元(約40円)、Zeekrは30分後から1分あたり1元(約20円)というように、ブランドごとに異なっています。

このように時間超過での費用徴収は中国のEV社会ではかなり一般的な制度になりつつあります。その背景には、EVの普及とともに充電ステーションの数が追いついていない現状があるようです。限られた充電インフラを効率的に使うために、利用後は速やかに車を移動させる必要があり、その抑止力として超過料金制度が存在しています。

ただし、料金が高すぎる、あるいは通知が不十分だと感じるユーザーも多く、公平性や利便性の観点からはまだ改善の余地もありそうです。今後は、より分かりやすい告知方法や、ユーザーに優しいシステム設計が求められるかもしれません。

参考:超时94分钟被收取438元占用费!上海女车主怒告法院,最新判决

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