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「掃除は教育の一部か?」中国で巻き起こる親の教室掃除を巡る論争

中国・杭州の小学校で、新学期を迎えるにあたって「保護者による教室の掃除」が話題になっています。

『杭州日報』によると、ある教師が保護者グループに向けて「教室を掃除する必要があるため、時間のある方は申し込んでください。難しい場合は、保護者の同意のもとで清掃スタッフを雇います」と連絡したそうです。

この通知を受け、SNSではさまざまな反応が寄せられました。「自分が子どもの頃は、自分で掃除していたのに、いまや親が学校に行って掃除するなんて…」といった戸惑いの声や、「そもそも掃除も教育の一環。子ども自身がやるべきでは?」という意見も目立ちました。

実際にあるユーザーは「昔は先生が子どもたちに掃除の仕方を教えていた。今の子どもたちが年齢的に無理というわけではない」と指摘。また別の人は、「労働教育の一部として、子どもに責任を持たせるべき」と投稿しており、親がすべてを肩代わりする風潮に疑問を投げかけています。

一方で、「このような活動はあくまで自由参加。やりたい人だけがやればよい」「積極的に参加する親の気持ちを大切にするべき」といった擁護の意見もあり、議論は二分しているようです。

さらに別の保護者は、「自分の子のクラスでは、生徒自身が掃除をし、数人の保護者が見守る形をとっている。それで十分だと思う」と述べており、学校や教師の運営スタイルによっても対応が分かれている様子です。

この問題の背景には、中国における教育熱と家庭の関わりの深さがあると考えられます。特に都市部では、保護者の多くが学校教育の質を高めるために、時間や費用を惜しまない傾向があります。しかしながら、それが行き過ぎると、学校と家庭の境界線が曖昧になり、本来子どもが担うべき役割を親が代行してしまう懸念も出てきます。

日本でも、保護者が学校行事に関与する機会は少なくありませんが、教室の掃除までを担うケースは極めて稀です。今回の件は、中国の教育現場における「親の関与」のあり方を改めて問う出来事となっているようです。

参考:为什么还是我们?开学教室需要打扫老师让家长报名,引发吐槽

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