中国では、ここ数年で歯の美白や口臭対策など、オーラルケア製品に対するニーズが高まっています。そんな中、注目を集めているのが、『新華網』が報じた「歯磨き粉の混乱再調査」という特集記事です。
記事によると、中国のネット通販サイトでは、「3日で歯が白くなる」「医療レベルの歯磨き粉」「除菌率99.96%」といった派手な広告がずらりと並び、消費者がかえって混乱してしまう事態になっているそうです。
たとえば、大手ブランドのホワイトニング歯磨き粉の広告では見た目にもインパクトのある“ビフォーアフター写真”が並んでいます。
美白効果をアピールしていても、実際は単なる着色剤だったというケースや一般的な洗浄成分が含まれているだけのケースもありました。北京大学の口腔医療の専門家は、「歯磨き粉の“美白”効果は一時的な視覚効果に過ぎず、歯自体を白くするものではない」と注意を促しています。
さらに、子ども用の歯磨き粉にも注意が必要とのこと。例えば、「医療用」をうたった子ども用歯磨き粉は実際に歯磨き粉の基準を満たしていなかったり、輸入品をうたっていても実際には中国国内で法律に従って適切な登録されなかったり、宣伝に登場する有名インフルエンサーの“推薦”も事実ではなかったりというケースなど多発しています。
中国では2023年に歯磨き粉に関する法律が施行され、法的な整備が進んでいます。現在では、歯磨き粉の製造・販売には明確な基準が設けられ、「効能」などについてはさらに細かく基準を設けて管理するという法律上で消費者の権利保護と商品宣伝との間の架け橋となる動きもあります。
健康志向の高まりとともに、派手な広告や難解な成分名が並ぶ美容・健康商品は少なくありません。消費者自身が知識を持ち、冷静に見極める力が求められます。さらに細かい基準を設けて誇大広告を防ぐ必要もあるかもしれません。
参考:牙膏乱象再调查