中国で「3Cシール」と呼ばれる偽造認証シールが問題となっており、「3C認証」のない商品に「3Cシール」を貼って正規製品に見せかける法にも触れる販売行為がネットで横行しているようです。
『新華網』によると、「6月末に中国民用航空局が発表した新規定により、中国の”3C認証”のない、または表示が不鮮明なモバイルバッテリーは、国内線の機内持ち込みが禁止された」とのことです。これに便乗し、認証を受けていない製品に3Cマークを貼り付けて合法品に見せかける「3Cシール」の販売が急増しているそうです。
この「3C認証」とは、中国政府が定めた製品の安全認証制度であり、本来は電化製品などが安全基準を満たしていることを示すものです。しかし、『新華社』の調査では、「この3Cシールは見た目が本物そっくりで、サイズもオーダーメイド可能。一枚あたりの価格は0.2元〜0.5元(約4円〜約11円、1元=21円)で、あるネットショップでは1万件以上も販売されている」と報じられています。
こうしたシールの流通は、製品品質法に違反する可能性があるばかりか、「国家機関の証明書や印章の偽造・売買罪にも問われる恐れがある」とのこと。実際、各地の市場監督部門は違法なネット販売に対し、削除や取り締まりを進めていますが、「一部の業者は規制を無視し、販売を続けている」状況だそうです。
さらに記事では、「認証は人々の生命と社会の公共安全に関わるものであり、数円の貼紙で制度を形骸化させることは極めて危険」だと警告しています。単なる規制逃れにとどまらず、実際に事故や火災を引き起こす危険性もあります。
中国ではオンライン販売の拡大によって、当局の監視が追いつかない現実も背景にあります。こうした偽装シール問題は、家電製品に限らず、今後他の分野にも波及する可能性があるかもしれません。
日本でもPSEマークなどの認証制度が導入されていますが、認証ラベルそのものが信頼できなければ、安全性は確保されません。中国の「3Cシール」の問題は、認証制度の運用や監視体制の重要性を改めて浮き彫りにしていると言えるかもしれません。
参考:新华网视评|认证竟靠“3C贴纸”,在糊弄谁?