中国では今、「音楽フェスで結婚する」カップルが注目を集めています。
『環球網』によると、今年5月10日に施行された新たな「婚姻登記条例」により、全国どこの婚姻登記機関でも結婚手続きができるようになりました。これまで必要だった戸籍簿の提出も不要となり、結婚手続のハードルが大きく下がったそうです。
この制度改正を受けて、各地の民政局がユニークな取り組みを始めています。たとえば、7月12日から13日に新疆ウイグル自治区ウルムチ市で開催される「2025新疆スーパー草莓音楽祭」では、水磨溝区の婚姻登記所がフェス会場に出張し、7月13日の午後3時から6時までの間、臨時の結婚登録所を開設します。
条件を満たしたカップルであれば、身分証と写真、書類を持参すればその場で結婚手続きができる仕組みです。まさに、音楽に包まれながら人生の第一歩を踏み出すという、映画のようなシーンが実現されるのです。
このような取り組みは新疆ウイグル自治区だけではありません。四川省成都市では、非物質文化遺産博覧園の婚姻登記所が音楽祭に合わせて開放され、若者たちの予約が殺到。ゴールデンウィーク前にはすでに満員になったとのことです。また、浙江省寧波市象山でも6月末に行われた「東海音楽祭」で、10組のカップルが集団で結婚式を挙げるというイベントが開催されました。
「音楽フェス+婚姻登記」という新たなスタイルは、結婚という儀式に特別な演出を加え、若い世代にとってより身近で思い出深いものにしようという狙いがあるようです。中国では、近年若者の結婚率が低下しており、政府としてもこうした斬新なアプローチで結婚を促進しようとしているのかもしれません。
また、こうしたイベント型のサービスは地方都市の観光振興にもつながり、フェス目当てで訪れる若者に対して行政サービスをPRするきっかけにもなっているようです。結婚を「おしゃれ」に、そして「楽しく」する発想は、もしかすると日本でも注目されるトレンドになるかもしれません。