中国を知るが目的地!あなたを中国へご案内

中国で最も儲かる航空会社・春秋航空、その裏にある「乗客の苦悩」

中国の格安航空会社・春秋航空(スプリングエアライン)が、思わぬ形で話題を集めています。

春秋航空は2025年上半期に売上103億400万元(約2100億円、1元=20円)を記録し、純利益も11億6900万元(約234億円)にのぼり、中国の国内航空会社でトップクラスの利益を上げたといいます。

同社の高収益を支えるのは、徹底したコスト削減策です。機材はエアバスA320に統一され、整備や訓練コストを圧縮。

客室ではリクライニング機能を排除し、ファーストクラスもなし。これにより座席数を20%以上増加させ、薄利多売のスタイルを確立しています。

その他、手荷物に関するルールを徹底にしたり、チケットの変更やキャンセルにも厳しいルールが設けられたりして、利用者にとって大変な旅になるケースも多いようです。

荷物に関しては、わずか数センチの超過で150元(約3000円)の料金を課されることもあるようで、利用者の中には「スーツケースの車輪を外して再計測」したり、「袋に荷物を詰め替えて登場」したりするケースまで報告されています。

チケット変更やキャンセル手数料が高いことも多くの人の不満の原因となっています。例えば荷物の重量オーバーで搭乗できなかった人がチケットキャンセルしたところで、1028元のチケット代金はわずか222元しか戻って来なかったこともあるようです。

割安に見える航空券も、こうした手数料や追加コストを加味すると、結果的に割高になることが多いようです。

さらに、「会員になれば割引が受けられる」と案内され、気づけば銀行のクレジットカードを作らされていたという乗客も少なくありません。これは空港での荷物預け入れ時に頻繁に行われるようで、実質的には会員勧誘ではなく「金融商品の販売」に近い手口です。

春秋航空は、こうした「空中の格安バス」ともいえる徹底した効率運営で、コロナ禍後も黒字を維持する稀有な存在です。しかし、その一方で、乗客の「旅の快適さ」や「信頼」は犠牲になっているようにも感じられます。

中国国内では「もう二度と使いたくない」という声も少なくなく、今後は顧客満足度と利益のバランスが、さらに問われることになるかもしれません。

参考:关于春秋航空,你有没有什么想说的?

SNSでフォローする