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中国金業界のエルメス「老舗黄金」、続く値上げ戦略の真相

中国の黄金ジュエリーブランド「老舗黄金」が、2025年8月25日に今年2度目の値上げを行い注目を集めています。

天猫や京東のEC公式ショップで人気商品の多くが値上げされ、1万~3万元(約20万~60万円、1元=20円)のアクセサリーは1000~3000元(約2万~6万円)上昇しました。例えば、18.2グラムの「ひょうたんダイヤペンダント」は27130元(約54万円)から3万530元(約61万円)へと12.5%値上げされています。

同ブランドは毎年2~3回の値上げを行っており、今回も事前に予告していました。ただ、半年前のような爆発的な買い占めは起きず、北京の一部店舗では七夕セールの影響もあって行列ができたものの、以前ほどの熱気は見られませんでした。

それでも業績は絶好調で、2025年上半期の売上高は141.82億元(約2836億円)、純利益22.68億元(約454億円)と前年同期比で大幅に伸びました。ただし金価格の上昇により、粗利益率は38.1%とやや低下しています。

老舗黄金は2009年創業。創業者の徐高明氏は、中国伝統の古法製金技術を現代デザインと融合させ「古法黄金」の第一ブランドを打ち出しました。一般的な金製品は素材と工費の積み上げで販売されますが、同社は文化や工芸のストーリーを付加価値として高価格帯を実現。製品は1万~25万元(約20万~500万円)で販売され、1グラムあたりの価格は1500元(約3万円)に達します。店舗も高級商業施設に限定し、「金業界のエルメス」とも呼ばれる存在となりました。

中国のジュエリー市場では、単なる素材価値ではなく「文化や物語を買う」という消費が広がっているようです。これは日本の高級ブランド市場とも通じる動きであり、今後の消費動向を占う上で注目されます。

参考:老铺黄金,不卖黄金

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