河南省周口市の幼稚園が提供する豪華な給食が中国のSNSで大きな話題を呼んでいます。
『羊城晩報』によると、同園が公開した動画には「ロブスターや大きなカニ、アワビ、ナマコ、牡蠣、さらにはドリアンやライチまで」といった高級食材を使った料理が並び、ネットユーザーからは「夢の幼稚園」「星付きホテル並み」と驚きの声が寄せられたとのことです。
園長の周氏は取材に対し、「動画の料理はすべて園児の食事用で、鶏肉や鴨肉、牛肉、羊肉、魚、卵、野菜、果物、海鮮などを幅広く使っている」と説明しました。
この幼稚園では毎日「三食二点」(三度の食事と二回のおやつ)を提供し、特に昼食は豪華だそうです。
食費は1人1日あたり20元(約420円、1元=21円)程度で、9人の専属シェフが担当し、園長自ら調理工程を全て確認しているとのこと。
「多少の予算オーバーはあるが、子どもが栄養のある美味しいものを食べられるなら十分に価値がある」と強調しました。さらに、季節に合わせて旬の食材を取り入れる工夫もしているといいます。
近年、中国では子どもの健康や栄養バランスを重視する家庭が増え、教育現場でも「食育」の重要性が注目されています。
少子化の影響で、経営不振に陥る幼稚園が多く存在している中、給食で人気を集める戦略は一般的になって来ました。特に都市部では、安全で豪華な給食を売りにする幼稚園が増えているようです。今回の事例はその象徴的な例といえるでしょう。
一方で、地域によっては依然として給食の質に格差があり、都市と地方の差が浮き彫りになる面もあります。
日本の学校給食も栄養管理や衛生面では高い評価を受けていますが、中国のように高級食材を積極的に取り入れるケースは珍しいかもしれません。
今後、両国の給食の進化を比較していくと、食文化や価値観の違いがより明確になるのではないでしょうか。