中国では夏休みの終わりを迎えるこの時期、学生たちの「新学期準備」を狙ったネット詐欺やサイバーリスクが増加傾向にあるようです。
これを受けて、中国公安部のネット安全部門である『公安部網安局』は、「ネット安全課」と題した啓発記事を通じて、国民に広く注意喚起を行いました。
『公安部網安局』が発表した内容によると、特に多いのが「新学期特典」や「学用品パック」といった言葉を使った詐欺です。不審なリンクを通じて個人情報を盗み取る手口で、「学校関係者を名乗る人物がSNSのグループチャットで情報を流し、クリックすると偽サイトに誘導される」とのことです。
また、旅行シーズンを利用した「格安チケット」や「航空券のキャンセル」などに関する詐欺も多発しており、「返金手続き」や「本人確認」と称して追加で金銭を要求されるケースもあるようです。
さらに、休みの終盤に多いのが「無料のゲームアプリ」や「動画視聴アプリ」を装ったウイルス被害です。「非公式アプリをインストールした結果、スマートフォン内の決済情報や連絡先などが抜き取られる」といった報告もあり、安易なダウンロードの危険性が強調されています。
続く内容では、こうしたリスクを防ぐための具体的な対策も紹介されています。たとえば、「スマホに保存された身分証や通学情報の画像は削除」「SNSに投稿する写真には場所や学校名を映さない」「学生証の番号や氏名は隠す」などの細かい注意点が並びます。また、ネットショッピングやチケット購入の際には「公式サイト以外のリンクを使わないこと」「知らない人との個人間送金は避けること」など、基本的な安全行動の徹底が求められています。
このようなネットリスクに対する警戒心は、今や中国全体に浸透しつつあります。特に未成年や大学新入生といった、ネットリテラシーが十分とは言い切れない層に向けた啓発は日本においても重要なテーマです。
中国のように、警察機関がタイムリーに「ネット安全教育」を展開する動きは、社会全体でサイバー犯罪に対処する姿勢の表れとも言えるでしょう。家庭内でも、親子で一緒にスマートフォンの設定を見直したり、ネット利用のルールを確認することが、今後ますます大切になりそうです。