中国の大手通信社『新華網』によると、男性向けファッション市場がいま注目を集めています。
きっかけは2月27日に行われた小米(Xiaomi)の新製品発表会で、創業者・雷軍氏が着用していたレザージャケット。この「発表会コーデ」がSNSで一気に拡散され、「#雷軍発表会レザージャケット5分で完売#」という話題は3100万回以上閲覧されました。
『新華網』の報道によれば、2024年の世界の男性向けアパレル市場規模は約4300億ドル(約62兆円)に達し、そのうち中国市場は6000億元(約1兆2000億円、1元=20円)と、世界の約20%を占めているそうです。
SNSでの「着こなし紹介」や「オススメ投稿」が、いま男性消費者の購買意欲を引き出す新たな鍵になっているようです。
この「ジャケット」ブームの影響で、中国ブランド「ディコニー」などが大きく売上を伸ばしたとのことです。たとえば、発表会翌日の2月28日には、ディコニーの抖音(中国版TikTok)公式ショップで、1日あたりの売上が40万元(約800万円)を超えたと報じられています。
しかし、全体としてみると、従来の男性向けブランドは苦戦中のようです。例えば、男性向けのブランド「海瀾之家」の2024年の売上は前年比1.99%減の151.59億元(約3030億円)で厳しい状況が続いています。
背景として、「伝統的なビジネスファッションが消費者に響かなくなってきている」との見方があります。また、SNS時代にはトレンドの移り変わりが激しく、従来型の大量生産スタイルでは在庫リスクも高くなっているようです。
業界では、ブランドの若返りや技術の活用が進んでおり、例えば「七匹狼」はジャケットに内蔵型のマッサージ機能や発熱素材を取り入れた商品を展開。
また、他社でも多ブランド展開とともに、ショッピングと社交・文化体験を融合した“没入型空間”の開発を進めるなど、新しいファッションのあり方を模索しています。
男性ファッション市場は、今や約1兆2000億円という規模に成長し、個性・快適さ・機能性を兼ね備えた新たなスタイルが求められています。中国のこのトレンドは、今後日本のメンズ市場にも影響を与えるかもしれません。
参考:男人衣柜里的千亿市场