山東省泰安市にある泰山で「体育生“陪爬”(付き添い登山)」という新しいサービスがSNSで話題を集めています。
これはある母親が518元(約11,000円、1元=21.5円)を支払って、大学の体育専攻の若者に自分の子供を背負って泰山を一緒に登ってもらったというものです。
この母親は泰山を登るための子供を背負う道具を購入しましたが、夫が忙しいため、代わりにこの体育学生に依頼しました。
この若者は大学2年生の付玲海さんで、彼にとってはこれが初めての「付き添い登山」の仕事でした。
付さんは河北省承徳出身で、父親が病気で家の経済状況にそれほど余裕がないため、彼はアルバイトをして家族の負担を減らしているようです。
6月4日、付さんは山のふもとでこの母親と会い、3歳の女の子を背負って泰山を登り始めました。付さんは山を登る途中で多くの登山者の注目を集めました。
彼の体力は周りをびっくりさせました。子供を背負っているのに全く疲れを見せず、泰山の6000段以上の階段を2時間余りで登り切りました。
このニュースはSNSで拡散され、付さんには多くの依頼が来ています。しかし、彼は安全を最優先に考えており、成人を背負う依頼は断っています。子供でも体重15から20キロを上限としています。
今回の事例は中国の登山文化や親子のアウトドア活動の人気が高まっていることを示しています。
泰山は中国の名山であり、多くの観光客が訪れるスポットですが、小さな子供を連れての登山は大変です。そこで、このようなサービスが需要を満たす形で登場するのは自然な流れと言えるでしょう。
さらに、今回のニュースは中国の若者の労働観や家族支援の意識にも触れており、付さんが家族のために学業とアルバイトを両立させている姿勢は多くの共感を呼んでいます。
日本では大学生がアルバイトをするのはごく普通なことですが、中国では大学生がアルバイトできる場は限られています。
このように自分が持っている能力やスキルをうまく用いることで、新しい形のアルバイトを自ら創出できるかもしれません。今後も若者のアイデアと行動力が新しいビジネスの可能性を広げることが期待されます。