中国・杭州市で、たった30分の短時間駐車が思わぬトラブルにつながりました。
杭州市蕭山区にあるホテルで、夫婦で子どもの水泳教室に向かった姚さんは、ホテルの地下駐車場が満車だったため、やむを得ず私有の駐車スペースに車を停めました。
姚さんは「短時間の練習だけなので、すぐ戻る予定だった」と語っています。車には連絡先も残しておき、連絡が来ればすぐに移動するつもりだったとのことです。
ところが30分後、駐車スペースに戻ると、なんと車はナンバープレートのない車に前をふさがれていました。ホテルの管理会社にも連絡しましたが、駐車スペースの所有者にはすぐに連絡がつかず、ようやく連絡が取れたのは40分後でした。
姚さんが事情を説明し、丁寧に謝罪したにもかかわらず、相手の返事は「200元(約4000円、1元=20円)を払わなければ車は動かさない」と一方的なものでした。
実はこのスペースには「無断駐車は200元」と記された紙とQRコードが貼られていたそうですが、姚さんの夫はそれには気づかなかったといいます。姚さんは「非があるのは承知しているが、やや脅迫的な対応に感じた」とコメントしているそうです。
この一件について、浙江省の弁護士・陳氏は「無断駐車自体は確かにマナー違反だが、スペースの所有者が個人で罰金を設定して徴収することには法的根拠がない」と指摘、また「ナンバーのない車で封鎖する行為も適切ではなく、通報や正規の手段で解決するのが望ましい」と話しています。
都市部の駐車場不足は中国各地で深刻化しており、私有スペースをめぐるトラブルも増えています。今回のように、車庫の所有者が独自の「ルール」を設け、QRコードで金銭を徴収するケースも少なくないようです。
一方で、駐車する側も「少しだけなら大丈夫」と思ってしまいがちな状況があります。お互いの立場が理解されず、感情的な対応がエスカレートすると、トラブルが大きくなってしまいます。
日常の中のちょっとした判断が、思わぬ対立を生まないためにも、相手への配慮や冷静な対応が大切だと感じさせられる出来事です。